柄の位置で見極める!訪問着と付け下げとの違いとは
よく似ているとされる「訪問着」と「付け下げ」ですが、実際どのような点が違うのでしょうか。
実はこれらには明確な違いはありません。
多くの人が迷ってしまう訪問着と付け下げの見分け方について、訪問着の定義から見分けるポイントまでご紹介します。
□訪問着の定義をご紹介
そもそも訪問着とは、どのような着物のことを指すのでしょうか。
一般的には、肩から胸や袖にかけ縫い目をまたいでまるで一つの絵のようにつながった模様が描かれている着物が訪問着と定義されています。
さらに訪問着には、紋の数にも決まりがあります。
訪問着では、染め抜き日向一つ紋で「準礼装」、紋なしでも「略礼装」です。
使用用途を広くするために最近では紋なしで仕立てる人が多いですが、よほど格式のある席でない限りそれほど問題はありません。
紋の有無がわからず不安な場合は、都度主催の方に確認しておくとよいでしょう。
近年まで訪問着は改まった場での装いと定義されてきましたが、時代背景からもそのような定義は流動的なものだと言えます。
時代の移り変わりに伴い、人々の中にある「決まり」や「常識」も変わっているのです。
□付け下げとの違いはズバリ柄の位置!
さて、それでは訪問着と付け下げにはどのような違いがあるのでしょうか。
いくつかポイントがありますが、ズバリわかりやすい見分けポイントは柄の位置の違いです。
前述のように、訪問着は縫い目をまたぎ大きく一面に図柄が構成されています。
それに対し付け下げは、反物になっていることが多いため柄が縫い目にかからないように染めてあります。
そのため小さくまとめられている柄が多く、仕立てることで裾や袖など各要所に上手く柄が出るように配置されているのです。
仕立て済みの着物であればこのように柄の大きさや位置で見分けられますし、付け下げは反物の状態で販売されることが多いのでその点でも見分けられるでしょう。
大きなパーティや結婚式等へ着ていく訪問着と比べると、着け下げはやや格が下がりますので、着る場所でも違いがあります。
カジュアルな集まりや観劇など、訪問着では少し大げさになってしまう場面でも幅広く着用できるのが付け下げの特徴です。
□まとめ
訪問着の定義との違いにや付け下げついてご紹介しました。
見分け方や違いを知り、場面ごとに適した装いを心がけることが大切です。
当社では、おしゃれでモダンな訪問着のレンタルを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール
- 着物デザイナー兼和装コンサルタント/フォトグラファーから着物デザイナーへ転身。パリコレ着物ショー等の経験を経て現在は着物デザイン制作をしながら、写真館立ち上げや異業種からの和装事業参入時の和装関連全般のコンサル等を行っております。
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